相続手続きや相続税申告をするためには、必ず遺産分割協議をしなければいけません。 しかし、遺産分割協議は、誰にどのように財産を分けるか?など非常にデリケートな問題です。
法定相続分通りに財産を分割するケースは極めて稀で、実際は話し合い(=遺産分割協議)によって分割するケースがほとんどです、
遺産分割協議の方法には、
- 現物分割・・・1つ1つの財産を誰が取得するのか決める方法
- 代償分割・・・特定の相続人が、特定の財産(現物)を相続する代わりに、他の相続人に金銭などを与える方法
- 換価分割・・・遺産を売却してお金に換えた上で、その金銭を分ける方法
の大きくわけて3つあります。
遺産分割でもっとも多い方法は、現物分割となりますが、相続人同士で話がまとまらない場合には、代償分割や換価分割で補完していきます。
遺産分割協議がまとまりましたら、協議の内容を記録しておく書類を作成する必要があります。
それが、遺産分割協議書です。
遺産分割協議書の効力とは、対外的には誰が何を相続したのかを主張する事ができるということです。
またその反面、各相続人は遺産分割協議書に拘束され、撤回する事ができません。 万一、遺産分割協議書を書き換える場合には相続人全員の合意が必要となります。
遺産分割協議書の作成が完了すると、各種の名義変更はスムーズに進めることが可能となります。
遺産分割協議書の書き方
遺産分割協議書には決まった書式(書き方)はありませんが、いくつか注意点があります。
1.かならず法定相続人全員で協議しなければなりません。
戸籍調査の上、間違いの無いように注意してください。
※全員の協議ですが、全員が承諾した事実があればそれでよく、全員が一堂に会して協議する事までは要求されません。
現実的には、1通の遺産分割協議書(案)を作成し、他の相続人に、この内容でよければ実印を押してもらう方法がよく取られます。
2.法定相続人全員が、署名・実印の押印をする事についてですが、厳密には署名ではなく記名でもかまいませんが、後々の紛争・トラブルを防ぐためにも署名するようにしてください。
印鑑は実印を使わないと、不動産登記や銀行手続が出来ません。
3.財産の表示方法に注意
不動産の場合、住所ではなく登記簿どおりの表記にしてください。銀行等は、支店名・口座番号まで書いてください。
4.割り印が必要
遺産分割協議書が用紙数枚にわたる場合、法定相続人全員の実印で契印(割り印)してください。
5.印鑑証明書の添付
遺産分割協議書には、実印の押印が必要ですが、それと共に印鑑証明書も添付してください。
以上が、遺産分割協議書を書く上での基本的なポイントとなります。
当事務所では遺産分割協議書作成のお手伝いもしております。
初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
